小さな恋で満たされている
たくさん病気を持ったおじさんとお話をしていて、
「はいほうて分かる?」
と聞かれました。はいほう・・・はいほう、
「ああ、ブドウみたいなやつですね」
「そうそう、それがつぶれていく病気やねん」
そうか、それは大変だ・・・
「静かに夜、風呂入ってたらな。大きい息を吸ったら、ぺちんて肺胞がつぶれる音すんのよ」
それ以来、お風呂に入っている時にたまにぺちんと彼の肺胞のつぶれていく音を想像するときがあります。だからと言って仲良くなるとかいうわけではないですが、世界はこういう小さな恋で満たされています。