ゆきすぎた親切は

 さっき駅前で、大変な暴風雨の中、からし色の帽子をかぶって、からし色のレインコートを着た小柄な女性だか男性だか分らないひとが、火ハサミでごみを拾ってはナイロン袋に入れていた。






 ひょい、ぽい、ひょい、ぽい。拾うたびに街はきれいになる。だけどなにもこんな夜更けにこんな気候の中やらなくても。それで、



「ゆきすぎた親切はもはや変態だ」



 と思った所存であります。