春のごちそう

 散歩をしていると、桜の木にウグイスが止まった。そこは梅なんじゃないのか、ウグイスよ。そして桜は全然咲く気配もないぞ、ウグイス。咲いてない桜の木ってなんか枯れ木っぽいぞ、ウグイス。
 





 止まったウグイスは木についているコケをガツガツついばみ始めた。まるで肉にかぶりつくルフィのように勢いよく。あまりに食べまくるので、もしかしてコケの食べ過ぎでウグイスはその色なのかと思うくらい。






 でもスズメや山鳩やよくわからない春先の微妙な大きさの鳥たちはコケに見向きもしない。地面を盛んについばんでいる。こんなに、



「うっ、ウメウメ!ウマスギ!」



 とウグイスががっついているのに。






 結論、コケはウグイスだけのごちそうです。